話の種

オーガニック殺虫剤の産んだBT11耐性害虫

遺伝子組み換えが怖いという理科に遠い消費者と、それを煽って生活している確信犯的アジテーターと、科学を生業とする人々(科学者とは呼ばん)がキャーキャー言うのがBT−GMO。
BT11などが有名ですね。
※詳細な説明はこちらで見ることができます: http://www.bt.ucsd.edu/

カイコの疫病菌から始まった「天然殺虫剤」

皆様、ご存知でしょうか。そもそもBTは、石渡繁胤先生が1901年に発見したカイコの疫病(卒倒病)の原因菌だったんです。
その後、Bacillus thuringiensis と1911年にドイツのErnst Berlinerによって命名されました。

(ちなみに名前の元になったチューリンゲン地方のソーセージは旨いです。)

カイコを殺せる成分を産生するなら、それから殺虫剤を作ろうというのは自然な流れ。
というわけで、BT遺伝子が組み換え遺伝子作物に使われるずっと前に、Bacillus thuringiensis から取り出した毒素結晶は「生物農薬・殺虫剤」としてオーガニック(いわゆる有機栽培)愛好家に愛用され、濫用された時代もあります。(今もか?)

なんとBT殺虫剤は、いわゆる化学合成農薬ではないので「有機JAS・有機栽培に使用可能」なんですな。

実にばかげていますが、「天然由来だったら何でも体に良くて安全だ」と無邪気に確信している人たちですから、まぁそんなもんでしょう。

耐性害虫の誕生と、使用ルールを無視する愚かさ

いま、BT遺伝子導入作物に対する抵抗性(耐性)を持った害虫の跋扈が問題視されています。

でもその抵抗性って、農薬の適正な使用法や薬剤抵抗性管理を学んでいない有機栽培愛好家が、使用条件も守らずにGMOの発明以前から延々とBT生菌剤・毒素製剤をぶちまけ続けたのが一番大きな原因ではないかとPGJは思うのです。

そもそも殺虫剤というものは、害虫に抵抗性を生じさせないために輪用や散布間隔などの使用基準が厳密に定められています。しかし、どいつもこいつも説明書を読まないのよ! 愚か者。
特に農業に優秀な人材が集まりにくい国や、一部の有機農家ではその傾向が極めて強い。

【夢の島と最強のP450】
かつて夢の島(ゴミ埋立地)で捕獲された、どんな有機リン剤や殺虫剤をぶっかけてもビクとも死なない「シトクロムP450最強のハエ」が、XYLの学生時代に研究室で飼育されていましたなぁ。
あの頃の東京都清掃局には、昆虫の耐性獲得や薬剤制御のイロハを分かっている人間が一人もいなかったんでしょうね。

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