アールデコシティー ネーピア(Napier)

私のQTHは1999年から2003年までは、ホークスベイ(Hawkes Bay)地方のネーピア(Napier)でした。 
この町は世界で最もアールデコ様式の建物がまとまって残っている地域として建築史の世界では有名な町です。 
北島の東海岸に位置し、オークランドからクルマで4時間半(MR2で)、飛行機で1時間。 
ギズボーンからクルマで2時間半です。

ちなみに、ホークスベイ地方が面している湾はホーク湾(Hawk Bay)です。 スペルがS1個違う。

日本で売っているネピアティッシュペーパーの原料を出荷していた
日系パルプ工場もあります。




アールデコというのは20世紀初期に流行った風俗で、服装や家具のデザイン、建築物の意匠など全てを含んだデザインの呼び名です。 映画「タイタニック」 のころのデザインと思えばよろしい。 (大正時代のモガさんの格好とも言うけど、若い人にはわかるまい)

何ゆえネーピアに、アールデコの町並みがここまで揃ったかというと、そもそもの原因は1931年に起きたホークスベイ大地震で町が壊滅してしまったからで す。 その地震は直下型地震で大きさは阪神大地震の100倍以上強かったそうで、その為、当時の家屋で生き残ったものは僅かで、町はほぼ壊滅してしまいま した。

ともあれ、町を上げて再建をはじめ、ネーピアは流行りの(というか当時の北半球ではそろそろ時代遅れ)のアールデコ様式で町の再建をしました。 その為、 他の国の地域とくらべて、妙に高率でアールデコ建築が残っている町となりました。 

中心街

ナショナルタバコ会社正面

商店街


海岸通

建物の典型的

デコレーション


詳しくはこちらの
ホームページ(英語)をご覧ください。 毎 年の行事日程なども確認できます。

これを観光資源として活用しているネーピア市は毎年2月、地震があった日前後にアールデコウィークエンドと言う祭りを行います。 当時の格好をした人々が 町中にあふれかえり、20世紀前半のクラシックカーに乗った人たちが国中から集まります。

それを見ようと街中は黒山の人だかり。 この時期、ネーピア、へースティングスで宿を取るのは至難の業です。 (しかも、収穫シーズンでも有るので、世界 中から八百屋さんや、カップスープ屋さん、冷凍野菜屋さんが来るので、本当に前もって宿は確保しましょう)


さて、祭りの週末は町中がイカレてしまいます。




 貸衣装屋は、この日のために大量のアールデコ衣装を抱え込んでいます。

 おばあちゃんたちは、大はしゃぎで「出撃」です。hi










家族で、当時のお金持ち一家を演じる、
現代のお金持ち一家。

子供たちはいつまでお父さんの
わがままに付き合ってくれるかな?

 

そのお金持ち一家が乗ってきたのが
1920年製
ロールスロイス
シルバーゴースト

アルミの地金が輝いております


100台近いクラシックカーが
整備と、磨きこみと衣装を競います。

何処から探してきたのか消防車


アールデコの時代はアメリカは禁酒法時代。
こんなギャングも居たでしょう。
ちなみにZLでは明らかに玩具とわかる物
以外のモデルガン等を人に向けると
警察の厄介になります。


蒸気トラクターに引かれたトレーラーで
商店街一周ツアーもあります。
客席となる荷台が高いので、
いつもと違う町を眺めることができます。

 


磨き上げたクルマですもの

丹精込めたクルマですもの

 ナンバープレートだって 
 
工夫しますよ。




ま、ともあれ、地震の記念日に防災訓練を実施する日本とは、まったく違う文化の人たちの国だと痛感できるお祭りです。
2月にZLに来られるなら、これを見ない手はないですよ。 でも、本当に宿が空室無しになるので、早めに予約を入れておかないと、泊まる所が無くなりま す。


もっとも、この祭りに対して辛口の意見もあります。

「これは、金持ちの白人が、白人だけでZLを牛耳っていた時代を懐かしむ回顧主義の祭りだ」と言うものです。 言われればその通り、主役は完全にヨーロッ パ系移民。 日本人でアールデコ貸衣装を着て散策していた人も見ましたが、まぁ、白人に裃着せて祇園祭に参加させるくらい似合わない。

 





















仮装パレード参加者に先住民マオリもアジア人も居ないし、確かに白人の回顧主義と言うのは当たっているかもしれません。  当時ZLはヨーロッパ系移民の 楽園だったわけですから。
  
人口の10%を超えた華僑系移民に、そろそろ経済をおさえられかねないZLのヨーロッパ系人種の危機感が民族感情を噴出させている面があるのかもしれませ ん。

ちなみに、ZLの日本人の人口比率は0.25%。 400人に1人が日本人です。

ともあれ、祭りの夜は暮れていきます。





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