新居宿(今切関所遺跡)

東海道は五十三次と言います。 53箇所の宿場が江戸日本橋と京五条大橋の間にあったわけです。
そしてその途中に3つの関所が設けられておりました。
有名どころは箱根ですが、この他に古代からある鈴鹿、そしてここで紹介する新居(今切)の関所と宿場町です。
<地図はこちら    住所; 静岡県浜名郡新居町新居1227? 5

この関所遺跡の素晴らしいところは国内で唯一残った関所建築であることです。
何しろ東南海地震で「やたらと揺れている」と世界的に有名な地域ですので、たびたび地震や津波に襲われていて「非常に古い町並み」が有るわけではありませ ん。
しかし、なんだか面白い町です。


まずは関所資料館

新居関所  現在の建物は嘉永7年(1854)の地震のあと建て直した物だそうで、町並みよりは十分古いですが、 「大変古い」訳ではありません。 
ただし唯一生き残った関所建物ですもの。 貴重ですよ。
 

新井の関所をなぜ今切関所と言うのかというと、これまた大地震が関係します。
1498年(明応7年)室町時代ですな。
毎度おなじみの東海地震で新居宿周辺を含む浜名湖一帯は地盤が低下、川の流路が変わり現在の浜名湖開口部が出現しました。 この半島状の砂州が切れた部分 を「今切れたばかり」ということで今切と名づけたのでしょう。

この地震で浜名湖は淡水湖から汽水湖になった訳です。
浜 名湖についてはこちら




ありがちなこの人形達ですが、すべて名前がついています。

江戸中期、享保の頃から吉田藩が関所の管理を任されて以来
代々同じ家が関所に勤めていたそうで。
そのため、誰が誰だか記録に残っているそうで。

終身雇用だけでも、PGJには途方にくれるシステムなのに
永代勤務とは。。。。
ご苦労様でした。

右は旅人が手形を差し出すのに使った縁側。
縁側自体は通常より狭く、通関する人の立ち座る場所の上に
大きくひさしが出ていることが分かります。

 
 

左は次項でご紹介する旅籠紀伊国屋の土蔵に展示してある
関所風景の人形ですが、実際はちゃんとひさしの下で
応対してもらったのでしょうね。



関所は往時には船着場に隣接していました。
いわば港のパスポートコントロールみたいなものだったのですね。  
いまでは埋め立てが進んでかつて船着場だった場所がかろうじて再現してあるだけです。

これだけ水辺に近ければそりゃぁ簡単に津波で持っていかれるわけで。。










  さて、左で閉門された関所の門を叩いているのは遠い昔1980年代のXYL。
ツーリングで言ったけれど朝早すぎて、まだ閉まっていたのでしたhi
この後、下道を走って神戸に行って、その日のうちに神奈川まで帰ってきたんだから、若かったのか、ただの馬鹿だったのか?

今回はクルマと高速でのんびりゆったりでした。 体力もなくなってきたしね。
 


旅籠紀伊国屋

新居宿で最大の旅籠だった紀伊国屋。 昭和30年代まで営業していたそうです。
大修理を終えて現在は資料館です。
   
帳場のある1階から広い階段を上っていくとこのような客室があります。
水戸黄門で出てくるような構成でしょ?

それこそ、昔の時代劇映画ではおなじみの間取りです。

時代劇映画が大量生産された昭和30年代頃までは、当たり前の風景だったのかもしれません。
 
1階の帳場から奥へ進む廊下を抜けると、お銀の湯殿が有ります。

なぜか知らないが、由美かおるのサインまで置いてあるから、実に本物の旅籠の湯殿ですhi

   



湯殿の隣は炊事場。 この宿の名物はうなぎの蒲焼でした。 うなぎのたれがこびりついた甕が残っているところ がすごい。
当時は宿ごとに出すメニューは固定されていて、この宿では1年中うなぎの蒲焼だったそうな。
庭は、いかにも最近再生されたつくりですが、水琴窟があってきれいな音を聞かせてくれます。



宿場女郎はいかが?

新居宿にはものすごいものが残っています。
置屋さんです。
新居宿の場合、置屋で揚屋であった建物が残っています。
それがこちら。
 

箪笥や櫛、化粧道具、三味線などが残っているところが立派。 

 

この崩壊寸前の建物は有志の人々で修理中。 2007年夏にやっと電気が入ったそうです。 紀伊国屋と同じくらい規模が大きいので、これを修理しようと 思ったらいくら掛かることか。。。
100万、200万の寄付くらいではどうにもならんですね。 
ここは稀に公開しています。 

芸者は美人がなるものだよという、その昔の芸者さんのポートレートを見ることが出来ます。 本当に美人だよ。 
この建物に面した路地に山盛りいた子供達の写真が展示されていましたが、子供も絶滅寸前で今では4人。 「皆郊外に脱出してしまった」そうです。


今でこそ、競艇しか売りのない田舎町ですが、1888年に、この付近の東海道本線が開通するまで新居宿は大変な賑わ いの町だったと想像がつきます。 1915年に新居町駅が開業したころから衰えていったのでしょうかね。
2007年10月に路地サ ミットとやらをするそうです。 浜松周辺へお出かけの節はお試しください。

 <<新居の観光ガイドはこちら。


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