Safety First 足尾銅山

週末の朝、箱根のワインディングから戻ってきてXYLと朝食を摂りながら「甲州信州もマンネリだねぇ。」というわけでGoogle Mapsとにらめっこ。 「何処へ行こうか?」 日光は「二度見る馬鹿」だしねぇ。 JAXAつくばは予約でいっぱい。

足尾銅山を見てみよう。 ということで東北道(いつの間にかに120km/h道路になっていました)を通り日光経由で出かけました。 足尾銅山と言うと義務教育で延々「足尾鉱毒、田中正造、渡良瀬遊水地」を刷り込まれていたのですが、そもそも原因企業があまり話題に出てこないので(水俣病のチッソとは大違い)、足尾銅山が古河財閥の事実上の発祥地とは今回初めて認識しました。 古河財閥自体が大恐慌で自前の銀行を失って財閥としてはアンバランスだったので一般人が見る経済史では余計に影が薄かったかもね。 (三井や三菱は昭和末期まで自前の一枚看板の銀行を持っていたものねぇ。)

「あぁ 中禅寺湖の裏山が銅山かぁ」という立地関係は行って初めて「あぁなるほど」でした。 神奈川からみるとアクセスの悪い北関東は興味がなかったからねぇ。 

朝 思い立って いきなり資料館の予約だけして出かけたのでした。

着きました

まずはお写真撮影

ぎゃうかうきねん

御真影 3点

去年公開を初めたばかりの施設だそうです。 運営母体は一般社団法人 古河市兵衛記念センター

寡聞にして古河市兵衛の話など読んだこともありませんでした。 四国や京都のどす黒い政商な皆さんの話は存じておりましたが「へぇ」でした。

古河鉱山は本邦における労働安全の先駆企業だったようです。 鉱山技術者は余人を持って代えがたい ので大事にしないとあとがない!

と言うわけで 安全第一の始まり

安全と健康と環境はSHEで、いまやホワイト企業の当たり前の価値観ですが、当時はSさえまともになかったのですから、S&Hが揃っていた足尾銅山は労働搾取が常とは云え立派な企業だったのですねぇ 

陸の孤島なので 福利厚生に頑張っていたそうです 小坂鉱山も芝居小屋があったもんねぇ

大相撲の巡業も来たそうですよ

ただEがねぇ。。

足尾の禿山と 大鉱毒事件

足尾鉱毒事件 詳しくは こちら

一方 労働安全は いいねぇ

1941年発行の号

昭和も戦後になってもPPE無しで働いて塵肺になった労働者がうじゃうじゃいるのに

大正年間(100年以上前)に「アスピレータ装着しろ お前ら死ぬぞ」と注意喚起しているのですよ。

写真をクリックしたら大画面で読めます(ふりがなも振ってありますので平成生まれでも大丈夫)。

そもそも足尾銅山は幕末には

「掘るだけ掘って もうカスも出ない」

と言われていた徳川様の銅山だったそうですが、それを山師の古河氏が「まだ出るべぇ」と掘らせたら大当たりしたのだそうです。

そして掘った坑道の3D図が これ

館内動画撮影禁止なので6枚取った写真をAIで動画にしたのが以下

明治初期には手や輸入の削岩機で掘っていたようですが、そのうち自前で削岩機を製造しだしました、 古河機械のはじまり。 そういえば常陸国の日立鉱山でも鉱山の排気のための換気ファンのモートルを作り出したのが日立製作所の起源ですね。 あそこも酸性排気ガスで農業被害が出まくって と言う話は 新田の二郎さんの小説があります。

ある町の高い煙突

で 削岩機ですが

アメリカ人の振り回す削岩機は小さい日本人には無理!

で 上の小型の削岩機を開発したそうです

足尾鉱山と言うと 田中正造 鉱毒事件 が連想ゲームでしたが こんな心意気で貧乏な国を支えていたのねぇ でした。

資料館の隣は旧社宅と旧迎賓館

こちらは管理母体が違うようで倒壊寸前です。 あるうちに覗きに行きましょう。

これ 旧電話交換所 クロスバ交換機?がガチャガチャ動いて内線を繋いでくれます

ハンドルを回してかける電話もあります 通じます 写真撮影機無いのが残念

そこを出て川を遡ると工場廃屋の前に掛かるドイツ製鉄橋があります 重要文化財

ただし崩落寸前

古河系の活動している事業所がいくつかあるようで、何をやっているのかと思ったら禿山の再生と鉱毒流出防止をやっておりました。

この復旧事業ですが

各社AIの回答によると

古河グループ(現・古河機械金属など)が2000年以降、足尾銅山跡の環境維持や管理に費やしている金額は、判明している実績値から換算すると総額でおよそ120億〜130億円規模にのぼります。

現在、明治期のような大規模な「鉱毒賠償・補償金」の新規支払い(係争)はほぼ収束していますが、法律(鉱山保安法や水質汚濁防止法)に基づき、会社が存在する限り続く「鉱山排水の浄化」や「堆積場の維持管理」といった環境整備費用が毎年発生しています。

古河機械金属が公表している具体的な財務・サステナビリティデータの内訳は以下の通りです。

1. 休廃止鉱山の維持管理・設備投資費用(2000年〜2024年実績)

古河機械金属は足尾を含む全国の休廃止鉱山を管理していますが、その大半(中核)が足尾銅山跡の管理です。2000年以降の支出実績として以下の数字を開示しています。

  • 設備投資総額(2000年〜2024年3月):約57億円
    • 鉱山排水を処理する「廃水処理場」の更新、大雨による崩落を防ぐ「集積場(堆積場)」の補強工事、坑道の崩落防止対策などのインフラ投資です。
  • 年間の維持管理費:毎年 約3億円
    • 排水を中和するための石灰などの薬剤費、設備の定期補修費、災害復旧費などで、24年間(2000〜2024年)でおよそ72億円になります。

2. 環境整備・緑化活動

かつての煙害で禿山となってしまった松木渓谷周辺などの社有地において、国や自治体、NPOと連携した植樹・緑化・生物多様性保全活動を現在も継続しています。 (※2026年3月には、古河が管理する足尾鉱山の松木エリア・大平山エリアが環境省の「自然共生サイト」に正式登録されました) これらの山林管理やパトロール、食害対策にも一定の保全コストが毎年充てられています。

過去の「補償金」との違い

1970年代の「毛里田(もりた)地区(群馬県太田市)」の農民側との調停の際、古河鉱業(当時)は15億5,000万円の補償金を支払うことで合意し、汚染農地の復旧事業費も負担しました。

2000年以降は、こうした農家への直接的な大規模「被害補償金」という名目よりも、「これ以上、下流に有害物質(銅やカドミウムなどの重金属)を流さないための環境インフラ維持費」として、毎年数億円規模のキャッシュがグループから投じられ続けているのが実態です。

同様な措置に投じられる国税額は?

足尾銅山跡の周辺環境整備、および下流への鉱害(重金属汚泥など)の拡大を防ぐために投じられている国税(国費)は、現在も年間でおよそ30億〜40億円規模、2000年以降の26年間の累計では約800億〜1,000億円にのぼると推計されます。

原因企業である古河側が「敷地内(民間地)の排水処理や堆積場管理」を担っているのに対し、国は「山林全体の治山(禿山の復旧)」や「河川の砂防・治水(渡良瀬川や遊水地)」という、より広範囲かつ巨額のインフラ整備を国費で担い続けています。

主な事業とその費用感の内訳は以下の通りです。

1. 国土交通省による「河川・砂防事業」

国交省(渡良瀬川河川事務所など)は、足尾山地から流出する重金属を含んだ土砂を下流へ流さないための砂防ダムの維持管理や、渡良瀬川の治水を行っています。

  • 近年の年間予算:約30億〜40億円 / 年
    • 例えば、直近の国交省予算(渡良瀬川河川事務所分)を見ると、令和5年度が約31億円、令和6年度が約39.6億円、令和7年度が約43.5億円と、近年は増加傾向にあります。
  • 主な用途
    • 足尾地区の巨大な砂防ダム群(足尾砂防ダムなど)の堆砂(たいさ)対策、決壊防止の補強。
    • 下流の「渡良瀬遊水地」に溜まった有害な堆積土砂の管理や、洪水調節池としての機能維持。

2. 林野庁・栃木県による「治山・緑化事業」

かつての煙害や酸性雨、山火事によって広大な「禿山(はげやま)」と化してしまった足尾の山々は、大雨のたびに有害物質を含む土砂が崩落するリスクを抱えています。これを止めるため、林野庁を中心に国費(一部県費)を投入して大規模な植生復旧が続けられています。

  • 費用感:年間 数億円規模
    • 1990年代末期のデータでは、国の治山事業だけで年間約20億円が投じられていた時期もありました。現在は草木の定着が進んだエリアもありますが、依然として崩落の激しい斜面へのヘリコプターによる種子散布、階段状の土留め工事(法面工)などが継続されています。

古河(民間)と国(公費)の負担バランス

民間企業である古河グループの拠出(2000年以降で約120億〜130億円)も小さくはありませんが、国が投じている税金はその数倍の規模になります。

現在、この役割分担は以下のように整理されています。

区分担当(負担元)主な措置内容2000年以降の費用規模
特定施設対策古河機械金属(民間)坑道からの湧水(鉱山排水)の中和処理、自社が保有する特定堆積場の維持管理約120億〜130億円
広域公共インフラ国土交通省・林野庁(国税)渡良瀬川流域全体の砂防ダム整備、河川・遊水地の浚渫(しゅんせつ)、禿山の治山緑化約800億〜1,000億円
(年間30億〜40億円規模)

なぜこれほど国費が投入されるのか: 鉱山保安法により「特定の施設や敷地」の直接的な汚染防止義務は古河にありますが、明治〜昭和期に周辺一帯(国有林や河川を含む広大な地域)に広がってしまった環境破壊や、一企業のキャパシティを超える規模の洪水・土砂災害対策については、公共の安全(首都圏の水害・鉱害防止)の観点から、国が「公共事業」として引き受けざるを得ないという歴史的・構造的な背景があるためです。

創業者の古河氏の哲学

商売の秘訣は運 自分が馬鹿だから教えてもらうという 鈍

とはいえ マキャベリが言っておろう「幸運は準備万端の者の前にしか開かんし、準備万端でなければその扉にかけ込めない」と。 まぁ 準備万端だったのですよ古河翁も。

そう云えば子供時代に勉強を見てくれた学生さんは古河電線に行ったなぁ。 
どうしているかなぁ 日本の製造業は給料が安いからなぁ。 
そういえば前職の部下も古河脱出組だったなhi 

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