先週はテキサス州ヒューストンならぬメキシコ合衆国へ出張でした。 メキシコも合衆国なんですねぇ。
メキシコは日本の戦国時代までアステカ文明などの固有の文化を持つ先住民の国だったそうです。 国というからには王も居て政治もあったわけです。
ところが、16世紀にスペインが大航海時代の波に乗り鉄砲と共にやってきて。。。
あっという間に負けちゃって、以来スペインに簒奪され先住民の文化はなくなってしまいました。 今、歴史博物館でさえ先住民の言語による解説はありません。 そこにあるのはスペイン語のみです。
ZLでは英語の表示のほかに間違えなくマオリ語の表示があります。 なんたってどちらも公用語ですから。 しかしメキシコではスペイン語のみ。
地域に固有の文化はほぼ壊滅状態なのでは?と感じた次第。
日本も、戦国時代末期キリシタンバテレン(イエズス会修道士が主戦力)の宣教団が来て、「その次はスペイン軍。」という段階で、危機感を持った秀吉に伴天連達は蹴りだされ、そこで速度が落ちたところでスペイン王が死亡という幸運が重なって、日本は独立を守れました。
戦力的にはスペイン軍が攻めてきても、国を挙げて戦えば、たいしたことはなかったでしょうが、なにしろ日本人は今も昔も平気で裏切りをするのでねぇ。(日本の戦国時代の裏切りの多さは世界史上でも特筆すべきものだそうです)
秀吉の伴天連追放や朝鮮征伐は後世の歴史家からはあまり評価が高くないけれど、とりあえず伴天連追放は、立派な功績だったでしょう。
危うく万葉集や源氏物語、古今集や方丈記を「外国語」で読むところだったのですから。
そう強く感じたのはメキシコのケレタロ市の大聖堂の前で物乞いをする先住民系の老女を見かけたから。
妙に服が綺麗だったから、実は先住民解放運動か何かなのかもしれませんが。。
さて、そのメキシコ自体も、アメリカ合衆国に二束三文で南西部を詐欺同然で取られ、その後の米墨戦争で負けて、よさげな所は米国に取られてしまいました。
戦争はいけないが、吹っかけられたら三倍返しする国力が無いと、メキシコ先住民やメキシコのようなことになります。 有史以来日本を唯一占領したのが「20世紀半ばの文明国になってから」の米国だったというのが、メキシコ先住民の幸せでない運命と日本の運命の大きな違いの理由のひとつでしょうか?
ただし、今、メキシコ先住民の血筋の人が皆不幸かというと。。。 きちんと教育を受けて仕事をしている人は充実した生活を送っているようでしたよ。
だから、よその国の人間が、先住民が幸せかどうかなんて旧植民地について言うことはできないのでは無いでしょうか?
日本も旧満州、朝鮮半島、台湾嶋をあのまま持っていたらどうなっていたでしょう?
台湾嶋、朝鮮半島はともかくマンチュリアの人々はいまよりましな生活をしていたかもねぇ。 まぁ「今の北海道の様に赤字団体のオンパレードになっていた」というほうが正解かな?
ハイ歴史にifはありません。
ともあれ、実際にスペインに行ってみて一緒に仕事をしてみればスペイン系の人も土着系の人も混ざった人も、きちんと教育を受けてきちんと仕事している人は世界共通で一緒に居て快適です。
今回は先生がアルゼンチン、講習に参加するのが日本、アメリカ、スペイン、メキシコから。 私ともう一人のアメリカ人が来なければ授業は全てスペイン語でできたのに、ちょっと気の毒でした。
しかし一方、議論が沸騰すると誰も彼もスペイン語で「英語で話せ!」と私が何度叫んだことかhi
ちなみに、スペイン系文化のかたがたはすぐ議論で沸騰してしまうので「黙れ!講師の言うことを聞け!」と何度叫んだことか。。。
ただ、メキシココースの主催者は「よく来てくれた、定員割れしたらどうしようかと思った」だそうです。 さて、今回の講習1週間分のコストは700万円と推定されます。
いやはや、教育というのはお金が掛かりますねぇ。