公益通報者保護

公益通報者保護者制度なるものがあります。
対象となる法令と法そのものはこちら
消費者庁は退職者も対象にしようとしております。

2016.12.10讀賣新聞
コンプライアンスがボロボロな多くのアジア系企業(含む本邦企業)が活動している我が国においては必要な改正でしょうね。
で、本日のお題。 
「あれ、出荷するのか?」ですとか、「あの事業はコンプリアント(適法)ではない」とか、「あれ、やったら違反だろ」とか言う情報が社内でいち早く聞こえてくるのが品質保証です。
ロクでもないことを考えるときに、行われているときに、「おかしい」と気づくのは製品品質、製造品質、サービス品質のバラ付きを見ている品質保証です。
品質管理と品質保証の区別のつかない方が居ますが、そういう人はこちらを見ていただいて。
下手をすると漏れたら「会社が潰れるかも」と言うような情報に触れているのが品質保証なんですね。 
恐ろしげな情報には2つ有って
ひとつはコンプライアンス違反
かつての職場では犯罪行為もありましたから(そんな会社だから潰れた)、いやはや何でもありの恐ろしげな不正の情報が聞こえて来たもんです。
明らかに法令違反な製品を製造販売するなんてもこの例に入ります。
というわけで、そのような事が不正が起きないように、まっとうな会社では品質保証が法規部や広報部、営業部、人事部と並んでコンプライアンス委員も兼ねているケースがよく見られます(外資では)。
「それって、まずいでしょ。」「コンプラ違反でアウトだよ。」「そりゃそうだ、じゃこれは止めて、こうしたら適法だ。」というのが正しい流れなんです。
もう一つは意図しない製品不良、サービス不良
素人さんには「リコール隠し」が一番わかりやすい例ですね。 
あるいは「これアレルゲン表示間違ってる。 乳が抜けてる。でも、表示を直していたら売り損なう。 売っちまえ。」とか、 「殺菌設計不良だよ。この製品全滅だね。」
なんてときはリスク評価で脳味噌煮えそうになりながら「回収するしないで」大騒ぎです。
「製品に使用者の生命財産に重大な影響があることが予見される」なら、何らかの対外的アクションを起こさないとこれまたコンプライアンス違反。
製品不良の場合はアクションを起こすか起こさないか、これが難しいところですが、そこは経済産業省様が教科書を出してくれています。
http://www.meti.go.jp/product_safety/recall/risk_assessment_practice.pdf
というわけで、私も職場では10ページ図2-2に乗っているマトリクスを使って決断を出しています。
世の中に「絶対安全」はないので、致死被害の可能性が10億分の1ならいいかというのが世界中の缶詰の製品設計ですし。マトリックスでもリスクC。
ところが「リスクAだけど知らんぷり。」だと、コンプライアンス違反ですね。
  
品質保証は、この手の情報に接しやすいので、真の愛社精神と遵法精神に富んだ人でないと仕事にならんのですが、残念なことにかなりの会社で「営業で使い物にならんから品証で使ってくれないか」と言うようなとんでもない人事が横行しています。
「使い物にならない」評価をされた人は高率で会社に不満を持っていることが多く、そんな人を顧客保護と会社の防衛に使えるわけないのは、言うまでもないことなのですが。。。
で、公益通報者保護法です。
不満を持っている人は、上のマトリクスでC判定のことにさえ鬼の首を取ったように通報をしかねません。 そうすると役所の仕事が増大して、真の公共の福祉が実現できなくなります。
そこへ今度は退職者もOK。
成績劣悪で馘首になった人が恨みを持って。なんてケースが出てくるのでしょうねぇ。
悪い法律ではないが、ゴミ情報も増える気がします。
私? まぁ 数社潰せる情報もありますが棺桶に持っていく予定です。hi

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