サービス品質

JDーPowerなる顧客満足度調査会社が、日本国内の自動車会社のサービス品質について発表しました。 ここで云うサービスとは「メンテナンスサービス」のことで「Service Factory」と言えば修理工場を言うのと同じことなのですが、調査にあたって1,000人の調査対象ユーザーが「サービス」の意味を正しく理解していたかは大いに疑問です。
というのも、以前某プレミアムブランドに勤務していた際に欧州本社の実施する覆面調査の結果が日本だけ国内主導の調査結果と整合せず「一体、欧州の調査会社は顧客に何を聞いているんだ?」という論争が絶えなかったからです。
さて、調査結果は以下のリンク
http://japan.jdpower.com/ja/press-releases/2018_J_Japan_Customer_Service_Index_Study_CSI
どんなに高くても、街で売られている自動車も一般民生品の機械だから、ある程度故障があるのは仕方ないです。 逆に産業用B2B製品や官庁装備品は壊れる前にメンテナンスする仕組みが別立てで必要で、それについて予算措置がなされますから、サービス品質を問われることはあまりないですね。  (サービス予算を取らず機器が使用不能というのは地方国大によくある話ではありますが、それは先生様達が単に一般常識が無いだけ。)
で、アウディは? Audi
ラグジュアリーブランドの中ではレクサスがダントツ1位の5つ星772点で、その他の輸入車御三家は「どんぐりの背比べ」の3つ星720点代。
そもそもレクサスもアウディもラグジュアリーかよ? プレミアムだがラグジュアリーではないと思うんだが。 ともあれ、そんな点数。
そもそも一般民生工業品の最大のサービスは「故障しない」。 故障しなければアフターセールスコストも減らせます。 保証期間中の無料サービスにかかる部品代、工賃は言うに及ばずですが、有償修理であっても10年以上も部品を保管する倉庫料、昔の車を修理する技術を維持するための訓練費用なども、想定される故障の数によって大きくなったり小さくなったりです。
コストは原価の一部ですから、結局、製品を安く売れます。 トヨタが偉いのはこのあたり。 あれだけ作っていればこそのスケールメリットです。
この手法はほぼ手作りのロールスロイスやフェラーリには使えない手口です。 ですからロールスもフェラーリもロータスも製品単価もサービス単価もとても高い。 むろん、そんなことが気にならない人が乗っています。 PGJには一生縁がないでしょう。
で民生品の我がAudi、それにしてもよく壊れます。1番の衝撃はA3-3.2納車翌日に車軸ベアリングが粉砕したことでした。 ディーラーで「大丈夫です」と、送り出されて100mしないうちに又壊れて修理に25万円!なんてこともあります。 Audi愛がなければ3台も買えません。笑
およそテクニカルサービス/修理というものは、定期メンテナンスや故障時に「顧客の不便を解消してくれる」という点が一番大事です。 故障修理や予防修理は「原因を明確にし適切な修理を施し、再発防止の為にユーザーにアドバイスする」、「修理の内容と費用の透明性」、「修理点検の際の利用や予約の簡便性」などが大事です。
調査でも
『「依頼した作業以外に商品や整備/修理の提案を受けた」と答えた人は34%から40%に増加しており、満足度も向上している(+16ポイント、691ポイント)。』
と例示していますが、調査対象になった人が「予期せぬな故障で時間を無駄にしたくない。」と思っているからでしょう。
「私の半日が幾らだと思っているんだ? 金で時間を買えるなら買ってしまいたい。」ですね。
少なくとも2万円の値引きのために半日粘る層では無いでしょう。
このカテゴリーのクルマのサービス「時間と透明性」を基本とすると、日本市場でのAudiの現状のサービス品質がメルセデスを売っているヤナセ並みに良いのかと言うと。。。どうですかねぇ。
ついでに「この調査の信頼性はどこまであるのか」とも思ってしまいます。(朝日新聞やNHKの世論調査よりは遥かにマシだろうけど) 一般部門のスバルと三菱が最悪2強というのは納得ではあります。

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