会社が消えるということ

関東自動車工業という会社がありました。
トヨタ自動車の系列生産会社で裾野市(JCC1821)にありました。
地元では「関東自動車」で通っていましたが、関東バスの関東自動車とはまるで別会社です。
秋葉原で通り魔殺人をやらかした犯人が不満をためていた職場としても地元では有名でした。
    
東日本大地震のあと、トヨタの東日本製造下請け各社の統合と完全子会社化が降って湧いて、2011年末にこの会社は消滅。 本社機能があった裾野は事務方が東北の新社屋に移転してしまってガラガラ。 (生産ラインはまだあります)
で、現在はトヨタ自動車東日本株式会社。
これで、大波を受けたのが裾野市と三島市北部。
石を投げれば、関東自動車か矢崎か旭化成かというお土地柄、特に東名高速裾野ICに30分でいける圏内の不動産はボロボロに値崩れ。
PGJが住んでいた箱根西麓の住宅団地もいきなり空き家、売り家が増えました。
なにしろ関東自動車に通うなら良いが新幹線の駅まで40分もかかる山の中(だから景色は良い)、地元に職場がなければそんなところにすまんよ。です。
トヨタにしたら、東北に移れば補助金がどっさりもらえるし、人件費は下がるし、大地震が渡りに船だったのかもしれません。
本日は別に経済について語りたいわけではなく。
会社がなくなったり、産業がなくなったりで、地域がいきなり廃れるということは天災地変以外にも山ほどあるということです。
にも関わらず、天災地変の被害地区ばかりに手厚い保護が行くのがどうにも不公平に感じるのです。 緊急避難のためのシェルターを提供し、3年の仮住まいを提供するのは良いでしょう。
しかし、3年たっても、次のステップに踏み出せない地域や個人をどこまで助けりゃ良いのかとは思います。
昨日晩にNHK総合で流れていた新宿五輪アパートの解体に伴う退去に接した老人たちの前向きな態度を見るにつけ、都会という競争社会で生きてきた人々とそうでない地方の人の差は明瞭で前者のほうが本人も周りも幸せであるように感じました。
ま、メディアも自立して頑張っている地方人では「絵にならん」と思っているから、余計にそういう報道なのかもしれんですが。
会社、二度つぶれたなぁ(遠い目)

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