「プラゴミをまたプラスチックに戻しましょう」と言う御伽話(おとぎばなし)を信じている人がまだいることには驚きません。 我が国の人口の9割以上は科学に遠い人々なので無理もありません。 また、全体を俯瞰することが苦手な国民性なので第一次世界大戦で勝ち馬に乗った以降は負け戦の連続です。
さて、経産省と環境省は西欧の一部文明国を倣って「家庭から出るプラスチック製廃棄物は皆プラゴミだ」にするようです。 結構なことです。
容器包装リサイクル法ではリサイクルマークの付いた「容器」しかリサイクルの対象にしません。 それ以外のプラゴミ、たとえば通販のプラスチック封筒、ダンボールの中に使われているプラスチック緩衝材、店頭でクリスタルガラスを買ったときに包んでくれるエアパッキン(通称プチプチ)は容器ではないので容器包装リサイクル法の対象外です。 当然レジ袋も対象外。
流通資材型のプラゴミをなんとかしようということになってきたのではないでしょうか?
当然、100円ショップで売られている使い捨て家庭雑貨も多くは合成樹脂製ですし。
ですから、この方針変更は結構なことです。 まぁ天下り利権と廃棄物処理利権の大幅な拡大が期待できそうですから、そりゃ霞が関も熱心でしょう。
で、この記事ですよ。
同じ讀賣の朝刊の社会面の解説。 この記事を書いた記者はもう少し勉強をなさるとよろしい。 「プラごみを燃やせば大量の二酸化炭素を排出し地球温暖化を加速しかねない」
馬鹿も大概になさるとよい。 塵芥焼却のために重油をぶち込んでいる量をプラごみを燃料にすれば減らせるのです。 分別回収して燃料代わりに焼却炉に投入するのが一番LCAのためにはよろしいかと。 どうせ燃すんだから一般家庭に細かく分別させなさんな。とは思います。
マテリアルリサイクルがLCA帳尻が会う形でかろうじて可能な合成樹脂は無色PETだけです。 もっともPETボトルと、他のPET包装は別に回収しているのが現状。 回収団体の扱い分野(=利権構成)のためでしょうな。
この状況下でマテリアルリサイクルとか言いたがる記者は勉強していないとしか思えない。 前世紀の流行だよ=マテリアルリサイクル。 まぁごみのリサイクルとかLCAとかは理科系の科学なので文系の方には難しいとは思いますが。
ところで、容器包装プラスチックごみの、大きな部分を占める食品容器は「あんなもん埋めたらメタンガスが出てしょうがない。燃やすしかありません。」(東京二十三区清掃一部事務組合)だそうです。 「いくら洗っても、食品の残渣にメタン産生菌が取り付いて埋立地がガス田になり、その後の利用ができなくなります。
https://www.kouwan.metro.tokyo.lg.jp/business/kisojoho/users/chosa/gomi.pdf
東京都港湾局によればおよそ分解性有機物(木質、食品残渣、食品容器)などを埋め立てるとガス田になるとのは当たり前。のようですね。
今は「埋め立ては焼却灰か非分解性ごみ(コンクリートやら陶器やらだけにしないと、捨て場所がなくなります」そうです。
環境保護ごっこ大好き系(無添加無農薬系とも云う)の方々に多いですが利権組織にすっかり洗脳され(特にご婦人は宗教にハマりやすい)リサイクルのためのリサイクルを一生懸命されております。 リサイクルは方法であって目的ではありません。
リサイクルはLCAを改善させてサプライチェーン上のCO2排出を減らすためにするものです。
まぁ帰ってくる返事はいつも同じです「私達には難しいことはわからにけどリサイクルは大事です」頭悪いのは犯罪だ。
ごみは燃やして熱回収。 これが正しい。
どうしてこの島の人々は俯瞰的に物を見ることがこんなに苦手なのでしょう? いい加減懲りろよ。