焼津の福一のまぐろ販売店のバックヤードで見かけたトラックです。 当たり前の冷凍トラックです。 トラック自体には何の話のタネになるものはありません。
興味を引かれたのは赤丸で囲ったところです。
それをクローズアップしたのが下の写真です。
液体窒素をぶちまけて急速冷凍をすると言う手法があるのですね。 液体窒素は-197℃で物を瞬間冷凍できる冷媒として一般的です。 牛の精子を人工授精用のストローに小分けにして保存する際にも使われますし、生化学の研究で精製した酵素の保存にも使用されます。 (御金持ちの東京大学様は液体窒素の配給所があった。)
しかし、いくら一般的、比較的安価とはいえ、とてもではないが安い食品には使えない方法です。 大気の8割弱は窒素ですから決して高価ではないですが、液体窒素をぶちまけるとなると安い食品には使えないコストのかかる冷却法です。 さすが高価なマグロ様ですね。
さて、空気中にある窒素を普通にまいて何が危険なの?と思うでしょ。 窒素が危険なんではなくて、液体窒素を噴霧して荷室の酸素を追い出してしまうことで酸欠になっているから危険なんです。 「死ぬ!!」というのは大げさでもなんでもなく、大真面目です。
酸素を追い出すことで、空気中の酸素によるトロの脂肪の酸化を抑える効果もあるんでしょうね。
食品の加工流通業界って、家庭料理と同様に考えられて素人にも分かるような気がしている人が多いですが、門外漢には正体不明のテクニックがあるんですよ。
これもその一例。