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手洗い

「トイレに行ったら手を洗おう」
は、食品工業ではなくても当たり前ですが、多くの人はトイレに行っても「指先に水を2秒つけて完了!」で手洗いをしたと思いこんでおります。
正しい手洗いについては以前話の種に書きましたが、FDAは流水で25秒以上洗えと言っていますし、オーストラリア・ニュージーランド食品衛生基準では食品工場の手洗い設備から38℃の湯が出ないと操業できません。
PGJのZLでの勤め先の工場で「手洗い場の給湯設備が故障して半日製造できず、製造課長がブチ切れた。」なんてこともありました。
その際に初めて知りました。 文明国では手洗いにお湯が出ないと食品加工施設として認められないのだと。 調べてみるとFDAの監査でも日本の食品工場は続々指摘を受けているらしいです。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001873/FDAinspection_guide_rev2.pdf
リンクはJETROの米国食品医薬品局(FDA)による食品施設監査ガイドブック」ですが、その29ページに「手洗い設備において、適切な温度(摂氏38℃前後)の温水が出ないことが指摘事項になった実例が多々ある」とあります。
そうなんですねぇ。 日本の食品工場へ行って手洗い設備で湯が出てくるほうが少ない。
「こんな冷たい水で汚れが落ちるか馬鹿野郎」と思うことがしばしばあります。
「お湯ではないんですね?」と質問しても、質問の意味がわからんらしいから情けない。 
手洗いが神社の手水と同じで儀式だと思っている日本の食品施設が異常に多いことの証です。
手洗いは手についた汚れを落とすためにあるのです。 汚れが落ちていなければ、その次の消毒薬も効果を示しません。
「次亜塩素酸水で消毒しますから」「アルコールで消毒しますから」と説明する食品に携わる人が多々居ますが、手の油汚れタンパク汚れを落とさないと消毒薬は効きません。
ところで、
「トイレに行ったからって、肛門を手で拭って来るわけでは無し。紙で拭いているんだし手を洗う必要なんてあるの?」と思っている人があるでしょう。
残念ながら、トイレットペーパー3枚重ねでも大腸菌などの糞便由来菌は突破して手に付きます。
便は水分を含んでおります。 その水分には糞便由来菌がたっぷり。 そして、気づかないうちにその水分はトイレットペーパーを通過して指についているんですねぇ。
ご参考:藤田保健衛生大学http://info.fujita-hu.ac.jp/pathology1/essay/byoukininaranai_chie2.htm
まして下痢のときは跳ね返り水が尻いっぱいに跳ね返ってですね。
拭くときに手首まで汚れます。
というわけで、文明的な食品工場では手首まで洗え。 としつこく言われるのです。
正しい手洗いの方法


ちなみにこの動画。 最後にタオルで拭くのがいただけない。
下着とタオルを同じ洗濯機で洗ったら、タオルは大腸菌まみれですよ。hi
真っ当な食品工場ではペーパータオルか、ロールタオルです。
我家のキッチンではスコッティのペーパータオルを使っています。
水吸いが良くて毛羽立ちにくい。
資源の無駄と感じる人がいるかもしれないけれど、食中毒の発生源で一番多いのは家庭の厨房だということもお忘れなく。
そうそう、再三申し上げておりますが、ハンドドライヤーを導入している食品施設は速やかに撤去をおすすめしますよ。 あんなもの汚染微生物拡散装置でしかないんだから。
ググればこちら <<リンク切れ復旧
あるいは

とあるメーカーさんは反論していますけどね。

残念ながら、食品技術者から見ると「かなり苦しい」ご説明です。
まとめ
トイレ行ったら手を洗剤で25秒以上洗って、よくすすぎ、ペーパータオルで拭いて、そのあとで消毒薬使わないと衛生的ではないよ。
というお話。

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