世の中にはダムフェチなる人々が少なからずいて、その人たちへのサービスに政府もダムカードなるものを配布しているのだそうです。 へー。
http://www.mlit.go.jp/river/kankyo/campaign/shunnkan/damcard.html
PGJはダムオタクではないですが、若い頃は丹沢山地で遊び、オートバイはオフロード系から始めたので比較的ダムを知る機会は多かったですね。 高校時代は電力屋になりたかったくらいなので、農学に進んだ以降も原発を含めて発電所見学によく行ったのもダムに縁がある理由の一つでしょう。
で、先日の台風12号です。 相模湾西岸では国道で自動車が高波に拐われたり、港湾施設で建物が吹き飛ばされたりといろいろ被害が出ました。
あんな被害が出たのに地元自治体の避難命令はついに聞かず。 リスクマネジメントの結果がそうだったのでしょうから、素人の私らがガタガタ言ってもしょうがない。
とは言え、国道管理事務所は湾岸国道を通行止にしなかったのはなぜなんでしょうかね。
で、台風一過後のダムを見に行きました。 神奈川県の維持管理する三保ダムです。
5基ある「洪水吐き」の3つから放水しています。 神奈川県の治水関連サイトの情報によれば、この写真を撮った時間は毎秒100立方メートル放水していました。
3つの止水板をちょっと開けただけで100立方メートル(ほぼ100トン)。 5つの止水板を全開したら足柄平野は洪水ですかね?
ロックフィルダムは越水破堤に弱いので、然るべき場所から適切に水を出さねばならず、上流域の広い三保ダムは5つの洪水吐きを持たざるを得なかったのでしょう。 (普通ここまで多くない。)
地図の内、濃い水色が三保ダムの上流域です。 ここに土砂降りの雨が降っても、丹沢湖の水面変動を大きく変化させず下流に有害な影響を与えず排出させるのが、このロックフィルダムとしては妙に多い5基の洪水吐です。 実際、今回の台風でも24時間のダム湖の水位変動は僅か数十センチでした。 余裕の設計ですね。
ちなみに紫の線で囲ったのが酒匂川の上流域(足柄平野部分と狩川流域を除く)です。
富士山火山灰と丹沢山地の風化花崗岩でできた足柄平野 というのがよく分かると思います。
「そりゃ洪水扇状地さ」と誰もが思いますでしょ。
これが堤体。 重力式コンクリートダムやアーチダムとはだいぶ趣が異なりますでしょ。
三保ダムの下流側にはダム公園があります。
神奈川県は、この公園を維持する気は無いようで、荒れ果てています。 クラウドファンドで維持費でも集めるとかBBQ設備にするとかすれば金も取れるだろうにとは思いますがね。
その荒れ果てた公園からは奇跡の一本木が見られます。
なぜそんな流れの真ん中に木が生えているのか? 七不思議。
ダムの放水時に見に行きたいと思う方は以下のサイトで放水量を見て参考にしてください。
http://www.pref.kanagawa.jp/sys/suibou/web_city/suibou_joho/html/sakawa/dam/c30202_60.html