灯台下暗し


箱根峠を西から登り足柄平野へ下るには歴史的ルートも入れると以下のようになります。
鎌倉時代の湯坂道 Google map

秀吉の小田原攻めの際に徳川の軍が使ったのがこのルート。
徳川以来の石畳 Google map

江戸幕府ができてから1604年に開設されたのがいわゆる旧街道。 高低差が従来の古道より少ないのですが最後の最後で延々急坂になるのが特徴。
箱根ターンパイクのルートは概ね秀吉本隊の小田原攻めルートです。石垣山城もターンパイクの尾根筋にあります。 自動車専用道

箱根の歴史的官道については箱根町観光サイトの説明がわかりやすいです。
https://www.hakone.or.jp/midokoro/ishidatami.html

こちらは箱根の観光地区を迂回するためだけに使われる箱根新道。自動車専用道

こちらが箱根駅伝で有名 国道1号線。 
週末に2種原付(80cc,125cc)で箱根を越えようと思うと、このルートしか無いのです。 他は50cc未満以外進入禁止になったり、自動車専用だったりで、ほぼこれだけ。
前世紀は抜け道林道もあるにはありましたが。 という訳で観光バスやトラック多数、道路は狭い、抜くに抜けんというのが今も昔も国道1号線箱根町区間です。
ここまでが前フリ。 という訳で、YSR80やTL125で散々走っていた国道1号線に面して建っている塔之沢の温泉旅館に行ってきました。 
90年代のバブル崩壊以前から塔之沢地区の温泉宿はどこも団体旅行が廃れたことと、サービスの割に値段が高いという日本の観光地の一般的な理由で需要激減、廃屋同然という宿も少なくありませんでした。
昨今のインバウンド景気と平成令和バブルで一部は復興してきたようです。 で、XYLが「良い建物の宿」がある言うので泊まってみようということになりました。
ただしTTのトラブル続きでついたら午後5時


塔之沢環翠楼 https://www.kansuiro.co.jp
皇女和宮が生涯を閉じたのがこの旅館だそうです。

こちら宮様御形見。
ともかく風情が古いのがよろしい。


      
談話室 書は孫文

こちらの書は犬養毅

湯殿に続く廊下

湯殿の手前の洗面台
大鏡は麒麟麦酒 発売元明治屋さんより


上の階には大広間が3つほど。 一つは立派な舞台付き。
「いろいろ良いものが並んでおります」そうで。 いいものもありましたが「要修復」もありました。






おや 昔の電話交換機

大広間の裏にあるこれはなーんだ?

現役リフトです。 上から覗いたところです。 
これで厨房から宴会料理を大広間に釣り上げるというわけ。 で、ここから厨房の会話が丸聞こえ。。。

温泉宿ですから温泉はどうか?
こちら自家源泉をお持ちです。 古い旅館なら皆自家源泉か? いえ、天然資源は枯渇することもあるので老舗だが温泉井戸が枯れてしまって自家源泉は持ってない宿もあります。 そう言う場合は温泉供給会社から温泉を配管やタンクローリで購入することになります。

こちらはかつて使われていた横穴式源泉。 箱根湯本や塔之沢の温泉群は江戸初期の温泉産業発祥の頃は湯坂山山腹に横穴を掘って温泉を採っていました。 今は横穴式源泉は禁止されております。(理由は知らんです) 
屋内の岩風呂は岩の隙間から温泉が湧いているというもの(写真なし)
露天風呂はいわゆる半露天で

このような庭を歩いて歩いて(雨が降っていたら歩きたくないような階段を登り)男女別にあります。 22時以降は早い者がちで貸切露天風呂になります。
こちらは男湯

こちら女湯


温泉法による温泉利用掲示によれば、アルカリ単純泉です。 
が、妙に温まる。 XYLも私も茹で上がりました。
部屋にもかけ流し湯舟がありまして、常時流れています。 贅沢なもんですねぇ。

今回泊まったのは、こんな部屋です。


この雪見障子いいなぁ。 
うちの障子をこれに換えたら高いだろうなぁ。。。

わうさまもご満悦

XYLもご満悦。
部屋の湯殿、トイレ洗面台周りは
すっかりリノベーションしてきれいになっています。
で、お食事。


相模湾攻めである。

エビのワタを抜いて身を綺麗に収めるという手間を
足柄地域では久しぶりに見ました。





杉の薄板に包んで蒸し焼き 杉の香が良かったです。

ここでハインツのデミを舐めるとは思わなんだhi


米飯がいまいち。。

この量が55分で出てきます。
いくらなんでもハイペースすぎです。 
早く従業員を帰したいというのもあるんでしょうが。
こちらは朝ごはん いわゆる定番。

建物は早川にも面しておりまして「台風19号では沈むかと思った」そうですが、被害もなく。 景色はこんなかんじ。

部屋から

遊歩道から

遊歩道の上が露天風呂。 率直に申し上げて知っている人なら丸見えです。

対岸から建物は。。。 見えん。。

「日本家屋もこれくらい古くなれば見栄えがする」とはXYL 我が家はいつかは、こうなるのか?

早川の上流側を見る

玄関

こちら和宮様碑
何しろ山の中の宿ですから部屋に女郎蜘蛛が出たり、

ムササビが廊下を突っ走ったりもするそうです。 
仲居さん達の話も楽しいし、風情があってとても楽しい旅館でした。 文化財に泊まるって、それなりに楽しい。
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