死にに行くレシピ

某レストランガイドで「60℃で低温調理した○○肉」という恐ろしげな謳い文句の料理を出している店を見ました。 
何が恐ろしいといって、低酸性食品(酸っぱくない食品)や非乾燥食品(パサパサでない食品)の加工において10℃(管理が厳しい乳肉の場合は4℃)を超え、63℃未満の温度帯は「速やかに通過することが望ましい」温度帯です。 
なぜなら食中毒原因微生物(細菌、ウイルスなど)が成長し、または毒素を出す温度帯であるからです。
それをわざわざ60℃で、ねぇ。。。 調理温度が60℃なら、加熱される肉の温度はもっと低い状態で長時間置かれるわけで、、、危険極まりない。 殺菌能力という点で見た場合60℃と63℃の違いは数倍あります。
さらにこれが「ジューシー感を出す為に真空パックして60℃で加熱しました。」 
なんていう調理法だったら。。。。
その昔、からしレンコンで11人を殺したボツリヌス菌による食中毒のリスクは跳ね上がりますね。
今でもあちこちで「料理は科学」を理解していないコックさんや板さん、お料理研究家が死人を出しています。 致死率は低いとはいえセレウス菌中毒も怖いなぁ。 
料理は科学です。 理科の素養の無い方に、新しいメニューを考えて欲しくない物です。
栄養学を教える大学の先生曰く、「日本では、ほとんどの栄養学部で食品のGMPはおろか、食品衛生学も微生物学もまともに教えていない」そうですので、日本のこの現状は当分続くでしょうねぇ。
御用心。

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