法律の外国語訳

とかく日本や中国など東アジアの法律は「解釈」というものが、やたらとあって、法律の本文を英訳を読んでも「結局意味わかんねぇ」というのは外国の皆様の共通の見解/苦情です。
何故、このように何が書いてあるかが「よくわからない」法律ばかりなのかと申しますと。 ひとえにJA国会の生産性の悪さでございます。
例えば、2019年に衆参両院で可決成立した法律の数は168法案中90件(継続審査後に成立の4件を除く)。 https://www.clb.go.jp/contents/all.html
第201回通常国会で審議され成立した法律が以下の通り
https://www.clb.go.jp/contents/diet_201/law_201.html
ご覧の通り、主管官庁がきれいに散らばっております。 財務省も経産省も厚労省も新しく法律を作ったり改正したりして、世の中を住みやすく(高級官僚の隠居生活も住みやすく)しようと頑張っておられるわけです。 
ですが、この仕組みが作られてから約70年、大きな改善もなくやってきておりまして、高度経済成長の頃には官僚と一部議員の愛国心で何とかなってきましたが、さすがに21世紀には、、もう無理。 優秀な人材は官僚になりたがらず、政治家は我らが選んだ衆愚政治。
世の中の動きが早すぎてですね、法律を作る方(内閣提出は事務方、議員立法は各政党と事務方)も、それを協議する方もヒイヒイ言いながら出していますが、国会の処理能力がご覧の通りで。。。
法律は国会の承認が必要です。 
さりながら以下は国会の承認はいりません。
政令は閣議決定でGOです。
省令は施行規則は大臣をまるめこめば花押捺印してもらえます。
告示は次官、局長をまるめこめばOK
通知は課長レベルでも発出できます。 強制力がないとか言う講釈を垂れる法律家もいますが、許認可を役所に握られている場合は「通知=お上の御命令である」と同じです。
そんな通知の例がこちら
という訳で霞が関では法律は曖昧にしてあとは政令省令告示などで法執行をしています。 国会承認を必要としないので臨機応変に対応できるから、そして何かを「やらないこと」に文句が出たら「法律に無いですから」と煙に巻くためにも使えます。 
なぜ、このように法律でない決まりが多いのか? そう、国会の処理能力が低すぎるからです。 あの処理能力では各省の各部局が提出できる法案は年何件と縛られます。 しかし世の中は動いています。 かくして「法律外」のお達しが増えるわけです。
で、法務省の法律の英訳サイトが以下です バナーですんでクリックしたら飛びます。

法律は英訳されていますが(全部ではない)、省令以下は日本語だけがほとんどです。
まさに非関税障壁。 で、それらを英語で外資企業に講釈してくれる法律事務所は大忙しです。 PGJの仕事も法律事務所ではないのですが、この解釈をガイジンにするという変な仕事です hi
ちなみに、この英語をグラマーチェック掛けると文法間違えをガンガン指摘されますが、政府の公式の翻訳なので、PGJの勤め先で引用するときは「法令の英文は私の翻訳間違えではなく日本国政府の公式な英文である」と付するのが常です。
(馬鹿だと思われるから>これ米国系の会社では本当)

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