六什壱分の九

PGJのQTHに訪問されたお客様はご存知ですが、我が家は基本的に和風テイストな家なので障子のない部屋はPGJのシャックくらいでどの部屋にも大きい小さいはあれど障子があります。

で、年末年始に障子の張替えをしました。
なにぶん我が家には障子だけでも60面以上ありますので、毎年全部張り替えというわけにも行きません。
とてもやりきれんです。hi
というわけで日に焼けたものとか、虫喰いで穴が空いたもの、テープが剥離してきたもの等を張り替えていきます。

テープ剥離(これは7年くらい前に前の持ち主がやったと思われ)
虫喰い(これは10年前くらいに貼った障子と思われ)

今回一番古かったのは80年代の建設当時のシロモノ。 紙は風化でここまで薄くなるのか? というのがよく分かりました。 hi

昨今、障子の種類も増えまして
- 純和紙
- 和紙と樹脂フィルム(PETが多い)の2層か3層構成
- パルプと合成繊維の混漉(パルプ率40%-80%まで各種)

今回使った紙は山梨県市川三郷町(JCG17004F)の会社 カセン和紙工業
https://www.kasen.biz/
富士川の河口周辺も製紙産業が盛んですが、中流部の山梨県も紙関連の産業が盛んなようです。 Google Mapで見ると「よくもまぁこんな小さい工場で このSKU数を作るなぁ。」です。 とはいえ、中小企業が生き残る方法の好例ではあります。
楮障子紙も販売されているようなので、次回はそれを使ってみようかな?
貼る方法も
- 昔からの糊
- アイロンで障子紙表面樹脂を溶着させる方式
- 両面テープでの貼り付け
とまぁ 色々ございます。
PGJが使う障子紙は上記3種類全て。 断熱を上げたいところは紙樹脂フィルム層構造、透過する光の明るさを求めるところは合成繊維混漉、障子からの反射光を期待するときは純和紙です。

貼り付け方法は糊に限ります。 アイロン式は簡単そうに見えますが、皺が寄らないように張るのはけっこうコツが必要と思います。 それに剥がすのも面倒。
テープ式は障子の桟に強力な両面テープの接着剤が固着して、これまた温めながら剥がさないと障子の桟が糊に付いてきてしまいます。 被害甚大。
テープ式は簡単そうに見えるところが障子貼りに縁のない人に好まれるのでしょう。
一方、水溶性の糊で貼る方法は剥がすときも水をかければ一撃で剥がせますし。 残った糊と紙の繊維は樹脂ヘラで容易に落とせます。
貼るときも昨今は便利な糊が出ているので刷毛で塗らなくても済みます。
クルマのラッピンフィルムを貼るのと同じで、ちょっとしたコツですね。
1回失敗すればコツを覚えます hi

  

いつも使っていて便利なのは上です。 

今回使って便利だったのは このナイフ。
切れ味鈍くなったら どんどん刃を変えていくと良い結果が出ます。

障子の桟が白木ではなく染で、かつ劣化で染色が脱落している部分もあったので、荒れた表面にサンダーを掛けて、ステイニング剤で染めて、乾かして、紙を貼って、乾かして、霧を吹いて皺を伸ばして、とだいぶ工程がかかりました。
今回は9枚張り替えました。 あと、1/3残ってますが、穴が空いている訳ではないので、追々様子を見ながら やりましょう。
かかりつけ医曰く「60枚は大変だ!」
大変なのよ。


PGJの生まれた家も11枚しかなかったのに下の写真のダイニングスペースだけで22枚

お察しください。 笑

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