自動車業界のオカルト

オーガニックやら、無添加(なにが?)食品やら、消費者側になんの具体的なメリットがないもの珍重してありがたがる人々がおります。
あれは騙す馬鹿 騙される馬鹿でねぇ。 双方が幸せなら産業として成り立ってて良いんじゃないの? という点で新興宗教と同じです。
「オイル添加剤」教とか「燃費向上マグネット」宗とか、色々ありますね。 皆オカルト。
こちらは自動車パーツ店などでよく見られる「窒素ガスをタイヤに入れよう」教の宣伝。
   
まず、大気中の窒素の割合がどれだけか知らない人が多いので騙される。
勤め先で窒素充填製品の説明をしたときに「そのガスは危険性はないのですか?」とか聞かれて顎が外れそうになったので、逆に聞いてみた。
PGJ:「空気の中の酸素や炭酸ガスの割合は何割?」。
営業A:「酸素80% 炭酸ガス20%」
経理B:「半々」
などなど
PGJ: 「はいはい皆さん尋常小学校卒ですか? 炭酸ガスが20%もあったら死にます。酸素が90%もあったら静電気の火花で世の中丸焼けになります。 答えは酸素2割、窒素8割、炭酸ガス微量、とおぼえておけばよろしい。」
人事C:「ではなんで窒素ガス充填食品が有るんですか?」
PGJ: 「それはね。
窒素を入れることが目的でなくて、酸素と空気中の水分を追い出すことが目的なんですよ。 酸素が有ると油脂が酸化して風味が悪くなるでしょ、酸素と湿度があればカビが生えるでしょ。 そうでない環境を作るのが窒素ガス置換なんです。」
で、タイヤの話。
F1やインディレース用のタイヤのようにタイヤの体積が大きく、温度がやたら高温になり、タイヤ空気圧が変動する場合には良いかもしれません。
何しろこんな感じ

水の膨張は乾燥窒素より遥かに大きいのですし、時間や場所によって大気中の湿度は高低差がありますから、変動要素が大きくなってしまいます。
限界に挑戦している場合にはなるべく減らしたい要素ですね。  水分があったばかりにタイヤの空気圧が上がりすぎてバースト。なんてのは上のようなレース環境ではありえるでしょう。
(ドバイのサーキットでは関係ないだろうけどね。 あの国ではコンプレッサーにウォータートラップ不要かも)
タイヤ窒素教の聖書には
 乗り心地改善 
 走行ノイズ低減 
 燃費向上
とか書いてありますが、どれも
「有意な差がでるほど変わりません!」

「バースト予防」に至っては。。。  お前は公道でレースでもするのか?ですね。
空気が漏れにくい。。。 たしかにゴムは気体を透過させるが、そんなに気になるならエアゲージでチェックしろ。 A3は3.2リッターエンジンを積んでいたせいでフロントが横荷重に負けて結構リムからエア漏れしたようでしたがTT、S1、ジムニーは本当に減らないですね。 軽量のなせる技。
そうそう、せっかく乾燥窒素を入れてもですね。ビードワックスにたぶんに水分が含まれておりましてですね。  元の木阿弥。
それにタイヤは初期伸びするだよ。
理科のセンスのない人はどうしてこうも簡単に騙されるのか。
鰯の頭も信心だけどねぇ そんなものにいくら払うのだ?
こんな記事も書いていたわさ。
http://www.zl2pgj.com/hanasi/42Nitrogen_in_tire.html
ジムニーJimny

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