異臭苦情

毒入り餃子で「苦情が多数あるにもかかわらず初動が遅れた」とJTが非難されておりまして、たしかにJTや双日の初動は「遅すぎないか?」ですが、「食品に異臭が有る」という苦情自体は珍しいものではありません。
特に多いのがスパイスを多く使った高級路線の製品で「異臭がする」という苦情。 「普段なに喰っているんだよ、この貧乏人!」と思うことも多々ありますが、こんな事件があると検査料10万円也を払って検査する羽目になることもあります。
あんまりかなわない場合には食品メーカー自ら保健所に持ち込んで検査を依頼することもあります。 
(「保健所に言うわよ」が脅し文句だと思っている一般消費者が居ますが、保健所は基本的に「真実と法律の味方」なので、やましいところが無い食品メーカーは保健所とは御友達です。)
自社で検査をすればコストがかなわないが、保健所に事故調査依頼をすれば無料という面もございまして。
「そういう匂いの商品なんですけど」と説明するのも大変なんで、近くを走っている営業さんに同じ商品を苦情を言っているお客さんに届けてもらって「何か違いが有ります?」と確認してもらったことも有りました。
ところで、異臭の元と言っても何が原因だかわからず、「これかな?」と当たりをつけて検査機器や試薬を準備しますが、まるで分からない場合は率直に言って「お手上げ」なものです。
SF映画の見すぎで、サンプルを分析器に入れたら、たちどころに物質が分かると思っている文科系の方々が多いですが、物質の解析というのは本当に困難なものです。
「なんだか分かりませんでした」というのは怠慢でもなく食品メーカーの苦情対応としては普通にあることです。
ま、今回のJTはヒントがありすぎるのに見過ごしたという点で非難されております。

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